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2016年11月 1日 (火)

いつのまにやら~

気が付いたら、秋は十分味わう暇も与えてくれず、冬の足音が・・・

こんなカメカメなブログだめですねえ。
やりたいことがいっぱいで、じっとパソコンの前にすわって・・・というのがなかなかできません。
でも、でも、ずっと気にはなっていました。
例の、「ママおば」
青木さんのくらべ読みでは「アニーとおばあちゃん」ミスカ・マイルズ/作 ピーター・パーノール/絵 北面ジョーンズ和子/訳 あすなろ書房 を紹介していただきました。
同じ肉親の死をとりあげていますが、こちらは母親ではなく、祖母、おばあちゃんの死に向き合う少女の話です。
ナバホ・インディアンの少女アニーは両親と年老いたおばあちゃんとくらしています。アニーはおばあちゃんが大好きで、おばあちゃんがしてくれる昔話が楽しみでした。ある日、夕食の後、おばあちゃんはみんなに話があると言い、話し始めます。
「今織っているじゅうたんができあがるころには、わたしは母なる大地に帰っていく。」と。
このときアニーは、お母さんの目に涙が光っているのを見て、おばあちゃんの言っている意味がわかりました。
その日からアニーはおかあさんが織っているじゅうたんが出来上がらないように、必死で邪魔をします。じゅうたんが出来上がらなければ、おばあちゃんは死なないのだと考えたのです。
このときのアニーの行動はきっと普段のアニーだったら絶対やらないだろうというような大胆な行動で、アニーの必死さが伝わってきます。
おりおりに挟み込まれる、砂漠の中の村の自然描写が言葉以上にアニーの心を表していて自然に感情移入してしまいます。
アニーの気持ちを察したおばあちゃんは、アニーを誘ってメサの岬と呼ばれるところまで、出かけます。
『おばあちゃんが、空と砂漠の出会うはるかかなたをながめながら、言いました。
「アニー、おまえは、時間をもどそうとしているんだね。でも、それはできないんだよ。」
ようやくのぼりはじめた朝日は、砂漠を金色に照らしています。
「お日様は、朝、大地からのぼり、夕方、大地にしずんでいく。生きているものはすべて、大地から生まれて、大地へ帰っていくんだよ。」
 アニーは、砂を片手で救い上げて、ぎゅっとにぎると、ゆっくりと大地に落としました。サラサラと落ちる砂を見ていると、アニーにもだんだん、おばあちゃんの言っていることがわかるような気がしました。
 花びらは枯れて大地に落ちる。
 そして、自分も大地に生きていて、大地の一部だということが・・・・。』
この場面は雄大な砂漠とその自然の景色が、自分が大地の一部なのだと実感として思わせる大きな役目を果たしているように思います。
黒い線画にキャメルと茶色がところどころ使われている、一見地味な絵ですが、ナバホ・インディアンが住んでいるアメリカ西部の砂漠の様子がよく表されています。この絵本を読むと、人間も自然の一部で、いつか必ず大地に帰っていくときが来るのだということが、アニーと共に理解できます。
私は、もし、「身近な人の死」といものを子どもに伝えなければならないのなら、この絵本を勧めたいです。
でも、もっと言えば、「生きようとする生命力の塊」、「伸びていく芽の先っちょ」のような子どもに、わざわざ、首振り向かせて教える必要があるのだろうかと考えてしまいます。
 もっと自然に、そういうことを考えなければならない事が起きた時や、質問されたときに、大人が事実を丸ごと預けてしまうような絵本ではなく、子どもが自分で考えを深められる余地があるような絵本、を手渡したいと思います。

 私の息子が5歳の時、夜寝る前に「かわせみのマルタン」リダ・フォシェ/文 ロジャンコスキー/絵 石井桃子/訳 童話館出版 を読んであげたことがありました。
かわせみの夫婦が精いっぱい生きて、最後に死を迎えるのですが、読み終わった後、しばらくじっとしていて深い溜息とともに、「ぼくもいつか死んじゃう?」「あした、ちゃんと目がさめるかな」と聞いてきました。
 私は「そうだね、人間だけじゃない、生きものはみんないつか死ぬよ。どんなに身分が高くたってお金持ちだってこればっかりはどうしようもないね。でも、使命を果たすまで人間は死なないし、死んじゃいけないんだよ。」
「しめいってなに?」
「その人が生きている間にやらなきゃならないことだよ。」
「ふーん、ぼくのしめいって、なんだろ?」
「さあ、なんだろね、明日からそれ、探してみようか?」
「うん」
「じゃ、もう寝なきゃ」ってな会話でした。
5歳の子どもとこんな哲学的な会話して、うちの子ってすごい?なんて思ってたら、次の日起きてきた息子は、ただの悪がきに戻っていて、昨日の珠玉のひと時はなんだったんだろ、って感じでしたがね。
5才児でも死のことを考えるんだと教えてもらった出来事でした。「かわせみのマルタン」は「死」が直接のテーマじゃないけれど、生きものが主人公なら、「死」はさけれれない出来事。そういう風に少しずつ、考えていく、っていうことでいいのではないかな、と思います。

さて、私が毎月、お話会と子どもの本の勉強会をやらせていただいているルピナス文庫という素敵な文庫があるのですが。ここの勉強会でも「ママおば」の事をとりあげていろいろ話し合ってきました。ここを主宰している方(ルピナスさんとよびますね)が、そのブログで、とても大事なそして私が言いたかったことをズバリ!と言ってくれています。許可を得て、リンクを張りますのでどうぞ、読んでみてください。

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